以前から気になっていた「大きな家」と「14歳の栞」という映画を観るため盛岡に行きました。映画の感想を含め,その1日を記録しています。
盛岡
初めて盛岡に行きました。短時間の滞在でしたが,ゆったりとした雰囲気が感じられて,いい街でした。
駅前にある開運橋は街の象徴となっており,北上川と岩手山が望めます。
別名は「二度泣き橋」。
まずはジュンク堂
旅先で立ち寄ることにしているのは大型書店。盛岡にはジュンク堂がありました。MOSSというショッピングセンターの3Fです。
品揃えは豊富で,特に文具とコミックが充実していました。入口付近には花巻東出身の菊池雄星投手の本が陳列されていました。
映画の時間が迫っていたので,20分くらいしかいられず。また来ます。
中央映画劇場へ
ジュンク堂から徒歩5分,盛岡駅から徒歩10分ほどの場所にある中央映画劇場は,雑居ビルの5Fにある小さな映画館。ジュンク堂のあるショッピングセンターにも映画館があり,そちらのほうが規模は大きいようでした。
中央映画劇場のHPを見てみると,SINCE1935とあり,歴史の長い映画館のようです。スクリーンは2つ。スタッフも少なく,こじんまりとした映画館です。
2本の映画を立て続けに観る予定だったので,キャラメルポップコーンを350円で購入しました。
…ポップコーン,でかい。2本観終わった後でも完食できず,袋に入れて持ち帰りました。(写真撮ればよかった…)
大きな家
前置きが長くなりました。まずは「大きな家」です。2024年に公開され,今回の上映は2回目の再上映。東京のとある児童養護施設を舞台としたドキュメンタリー映画という性質上,配信やパッケージ化は予定されていません。上映されている劇場・期間も限られていることから,盛岡に足を運びました。(後に紹介する「14歳の栞」も同様に配信やパッケージ化は予定されていません)
児童養護施設には,死別や病気,虐待や経済的な事情から,親と離れて生活する子どもたちがいます。映画を見る限り,かなり多くの子どもたちが施設で生活しているようでした。
親がいる子どもは,休日に「外泊」をして本当の家で暮らすことができますが,死別してしまった子どもにはそれができません。「親と離れて暮らしている」という共通項はありますが,一口に「離れる」と言っても,一時的なものなのか,それとも二度と会うことができないのか,その背景には大きな違いがあります。
子どもたちはその違いを感じ取りながらも,前を向いてたくましく育っていっている様子でした。
映画に登場する子どもたちに,スタッフが「ここはあなたにとってどんな場所?家のように感じている?一緒に暮らしている人はどう?」と質問をします。
映像を見ると,きょうだいのように仲良く暮らしているようですが,子どもたちの多くは,「一緒に暮らしているだけの他人」と答えます。
血は繋がっていないから家族ではない。赤の他人だけど一緒に暮らしている。それも,物心がついたときから。そんな曖昧な距離感で生活をしています。
「児童養護施設にいる子ども」と聞くと,皆さんはどのような印象を持たれますか。「可哀想だ」「大変そう」というイメージを抱くかもしれません。しかし,スクリーンに映るのは,どこにでもいる元気な子どもでした。小学生はランドセルを背負って走って学校に行くし,中学生は部活動に打ち込む。生活している場所が施設で,そこに至る事情が複雑かもしれませんが,いま,ここを生きる姿はたくましく映りました。
施設の子どもたちは過去を振り返って,恨んだり,苦しんだりすることもあるだろうけど,それでも進もうとしています。
変えられない過去を嘆くより,今やこれからに向けて歩いていく。子どもたちから力を貰える作品でした。
14歳の栞
14歳の栞は,「大きな家」と同じ竹林監督の作品。とある公立中学校の3学期,2年6組の35人一人ひとりに密着した映画です。どこにでもある普通の中学校の日常です。「そんな題材が映画になるんだろうか?」と観る前は不安を抱いていましたが,2時間経ってスッキリ。
中学生という時期は,誰もが映画のような時間を過ごしているんだ!と感じました。
「いやいや,自分が中学生の頃は,そんな映画になるような学校生活ではなかったよ!」と言いたくなるかもしれません。
確かに,大きなトラブルもなければ,どんでん返しがあるわけでもない。どこにでもいる中学生が登場人物。でも,2時間があっという間に感じられるほどの体験だったのは,生徒たちの等身大の姿が目の前にあるから。
教室という環境は,考えの違う生徒が1年間をともに過ごす,閉じた環境です。その環境で,ありのままの自分でいることはかなり難しいこと。中学生にもなると,「教室用の自分」の役割を演じます。
映画は,一人ずつフォーカスを当ててインタビューをする構成になっています。そこで語られるのは,多感な時期の中学生の本音。普段は籠もっている殻を少し破って,語ってくれるんです。これ,二者面談の状況に似ているなぁ…と思いながら観ていました。信頼関係ができていると,二者面談で本音をこぼしてくれる生徒は結構いるんです。
映画でも,教室でふざけているお調子者が意外と考えて振る舞っていたり,友達とうまくやっていそうな女子が実は「早く友人関係をリセットしたい」と思っていたりということが,インタビューで明らかになります。
また,中学生だからこその友人関係の悩みがあったり,自分を認められずに自己否定したり。そんな苦悩と向き合う様子があります。
どこにでもある中学校だからこそ,自分が中学生の頃と重ねて観る。あのときの自分や同級生は何を考えていたんだろうと,思いを馳せてみてください。
いい映画だった
今回は,3連休の初日,午後から盛岡に到着し,2本立て続けに鑑賞した後,最終列車で帰宅するというそこそこのハードスケジュールでした。体力があるうちに,たくさん動き回っておいたほうがいいな,と改めて実感した日でした。
今のところ,「大きな家」「14歳の栞」は,上映場所,期間は限られるものの,再上映がどこかで行われているようです。興味のある方はSNSをチェックしてみてください。


