Site cover image

@recording117’s blog

@recording117のastro-notion-blogです。

🎵 小学生の「音」に関する素朴概念の実態

💡
This article presents a paper on elementary school students' retention of elementary concepts about sound.

この記事では,小学生が保持する,音に関する素朴概念についての論文を紹介します。

Abstract

小学4年生の児童を対象に行なった研究。以下の素朴概念を保持していることがわかった。

  1. 音を直線的に捉えており,空気の振動や波として伝わるとは考えていない
  2. 音を「物」や「重さのあるもの」として捉えている
  3. 糸が交差した4人の糸電話の場面において,音は「直線的に」「前に」伝わると考えている

素朴概念

ミスコンセプションや,オルタナティブ・フレームワーク,誤概念という言い方もある。

学習者が理科学習の以前に持つ,科学とは異なった特有の概念の総称。日常生活から形成された,誤った思い込みのことである。

実験

音が伝わる様子を絵や言葉で表現する問題

  • 音を波として捉えている児童はいなかった。
  • 音がまっすぐに,直線的に伝わると考えている。(指向性スピーカーのように考えている)

ビルの上から下に話しかけたほうが,下から上よりも聞こえやすい?

  • 同じ距離であれば,同じ大きさに聞こえるはずだが…。
  • 音は「下に落ちる」ので,上から下に話しかけたほうが聞こえやすいと考える児童が多い。
  • 音には重さがある。
  • 音楽の授業等で,「声が下に落ちている」などと言われた経験?
  • 小さな声で話すときは下を向いて話すことが多いから?

4人が交差する糸電話実験

  • 交差する糸電話では,糸が繋がっていれば,全員に声が聞こえる。
  • 音はまっすぐに伝わると考えているため,自分の正面にいる人にしか伝わらないと誤答してしまう。
  • 音の学習に入る前に,音が色々な方向に伝わることを示すことが必要。

その他

高い音は大きい,低い音が小さいと考えている児童もいる。音の高低と大小を分けて考えるようにする必要がある。(低くて大きい音や高くて小さい音を聞かせるなど)

このような素朴概念は,音に限らず様々な場面で見られる。これらの素朴概念を保持していることを把握し,それを打ち破る手立てを考えていきたい。